海外旅行では心配する必要はありませんが、生活するとなると必ず知っておかないといけないのが、『ゴミ捨て事情』です。
韓国ソウルで生活していた時の体験をもとに、韓国のゴミ捨て事情についてご紹介します。自治体ごとに異なる部分もあると思いますので、ソウルの一般的なゴミ捨てについてみていきたいと思います。
韓国のゴミの分別
韓国では主に3種類「一般ゴミ」「生ゴミ」「資源ゴミ」があります。
私が暮らす札幌市は、「燃えるゴミ」「プラスチックゴミ」「紙ゴミ」「ビン・缶・ペットボトル」「燃やせないゴミ」「草・木・花」などと数種類あり、紙ゴミは2週間に1回などと毎日ゴミカレンダーとにらめっこです。
それに比べれば3種類なので割と楽でした。それでは具体的に見ていきましょう!
一般ゴミ(일반쓰레기)
生ごみ以外の再利用できないゴミです。
日本で言う「燃えるゴミ」と「プラスチックゴミ」から「生ゴミ」を除いた物。というのがわかりやすいでしょうか。鶏・牛などの家畜の骨・貝殻・ニンニクや玉ねぎの皮・使い捨てティーバックなども入ります。
有料のゴミ袋に入れて指定の場所に捨てます。
生ゴミ(음식물쓰레기)
日本語だと生ゴミですが、韓国語は、음식물=食べ物、쓰레기=ゴミで、「食べ物のゴミ」という意味になるので、食べ残した飲食物、または食べることができず捨てなければならない食べ物のゴミということになります。
留学1日目、留学会社の現地スタッフの方にゴミの捨て方を教えてもらった時に、「豚が食べられる物」と教えてもらい、「え?なんで豚??」と思ったのですが、実は、その表現の通り、豚と特定する必要はありませんが、動物が食べられるもの(飼料や堆肥として再利用できるもの)という括りなんだそうです。
なので、卵の殻や玉ねぎやトウモロコシなど食べられない野菜の皮は生ごみとして捨てることはできません。
この部分注意が必要ですよね!詳しくは以下のようになっています。
〈生ゴミに含まれないもの〉
•果物 : クルミ・栗・ピーナッツ・どんぐり・ココナッツ・パインアップル等の皮/杏・桃・柿などの種
•肉類 : 動物の骨、羽
•海産物 : 貝・サザエ・アワビ・ハイガイ・ホヤ・牡蠣・ロブスターなどの殻/フグの内臓(卵)
•その他 : ティーバック、ハーブ・薬草の粉末、玉ねぎの皮、コチュジャンのような刺激の強いももの
特に玉ねぎの皮や卵の殻は、「生ゴミ」という認識が強かったので、誤って捨ててしまいそうになる時が多々ありました。
資源ゴミ
基本的にリサイクル可能なゴミ、と捉えて良いでしょう。
具体的には、紙類、ガラス類、鉄スクラップ類(アルミ缶、スプレー缶)、発砲スチロール、プラスチック、牛乳パック、蛍光灯、電球(割れている物はリサイクル不可)、ビニール袋(汚れたビニール袋はNG)となっています。
日本と同様にビンや缶は洗ってから水気を切ってから捨てます。
•紙・鉄スクラップ・プラスチック・ガラス瓶・ビニール類などの資源ゴミは種類別に分別して集め家の前に出す。
•ビニール類は中身がビニール類だと分かるよう透明なビニール袋に入れてしっかり縛るなどきちんと整えて出す。
ゴミ袋について
ゴミ袋の種類
一般ゴミと生ゴミは指定の有料ゴミ袋があります。これをスーパーなどで購入して捨てます。日本と一緒ですね。
自治体によって異なりますが、サイズは5, 10, 20, 50, 100ℓがあるようです。3ℓなど小さい袋がある地域もあります。
購入方法
スーパーやコンビニで購入できるのは日本と同じですが、なぜか陳列棚にないんですよね(泣)
日本だとレジの横などに置いてあったりするのに、ソウルでは置いてないところが多かったです。
では、どのように購入すれば良いのか??
はい、レジで店員さんに「レジ袋ください」と言わなければならないのです。留学してすぐなど韓国語に自信がない時はこれが結構なハードルでした。
オドオドしながら「일반쓰레기용 봉투주세요.(イルバンスレギヨン ポントゥジュセヨ)」と言うと、「大きさは?」と聞かれさらにオドオド。
何ℓのラインナップがあるかわからないし、見本もわからないしさらにオドオドして周りを見渡してみると丁度スーパーにスーパーのゴミを入れているゴミ袋を発見!指差しで購入しました。(焦った~~)
慣れてきたら「제일 작은거 주세요!(チェイル チャグンゴ ジュセヨ!)」とか言って購入できるようになりました。
一般ゴミと生ゴミはそれぞれ有料ゴミ袋に入れて、資源ゴミは普通のゴミ袋に入れて捨ててね。ゴミ袋はお店に陳列されてない場合が多いので、店員さんに声をかけて購入しましょう。
ここが違う!ゴミ捨てで驚いたこと その1
さて、ゴミ捨ての基本がわかったところで実際に韓国で生活してみて驚いたゴミ捨て事情にてご紹介します。ゴミ袋が陳列されていないのも驚いたんですけどね……。
ゴミ収集車が夜来る
日本でゴミ捨てと言えば、「朝」ですよね。
会社に行く夫に「ちょっとついでにゴミ出して来て」というシーンはドラマなどでもよく見るもので、ゴミ出しは朝の光景の一つと言えると思います。
しかし、韓国のごみ収集車は朝ではなく「夜」来るのです。
私は留学当初、学校に行っている間のお昼あたりにゴミ収集車が来ていると思っていたのですが、朝出したゴミが夕方になっても回収されていない、ということがよくありました。
それから、韓国語の語学堂で「~~のついでに」の例文を使って文章を作るように先生に言われた時に「学校に行くついでにゴミを出す」と言うと、先生が「それはおかしいよ。ゴミを出すを使うなら、『ゴミを出すついでにコンビニに行く』でしょ?」と言われ、頭の上に????がたくさんつきました。
今考えればうなずけます。
そう、韓国は夕方から夜にかけてゴミを出すので、「学校に行くついで」はおかしいのです。「夜ゴミを出しに外に出たからついでにコンビニでも行こうか」が韓国人の感覚なのでしょう。
自治体の案内にも、「日没から夜の12時まで」に捨てるようにと書いてあるんですよね。
注意してみてみると、ドラマやテレビCMでも、夜ゴミを捨てるシーンがよくありました。以前まで、ドラマの設定で「夜捨てているだけ」かと思っていましたが、違うんですね。
そんなゴミを捨てる時間の違いに驚きました。
ここが違う!ゴミ捨てで驚いたこと その2
あの鳥を見かけない
謎のタイトルで申し訳ありません。
留学して2,3ヶ月私はあることに気が付いたのです。
「あれ、あの鳥を見かけないな」
そうです、日本では毎日目撃するあの黒い鳥、カラスをソウルではほとんど見かけないのです。そこで私は色々なことに納得がいきました。
韓国に来てから不思議に思っていたのは、「なぜゴミを外にそのまま捨てているか」ということです。日本だったら、必ず専用ゴミ置き場やゴミ箱があり、ネットも被せています。でも、私が住む地域は、ゴミ袋をゴミ捨て場に直接置いているのです。
「これじゃあ、カラスにめちゃくちゃにされちゃうのに~。大丈夫かな??」と思ったものでした。
そう、ソウルの街にはカラスがほとんどいないのです。
日本では見慣れた、ゴミを狙うカラス、巧妙にゴミ捨て場に入り込んでゴミ袋を引きずり出してから食べられるゴミをあさり、ゴミをまき散らす、この光景。当たり前だと思っていたものがソウルではないのです。
だから、ゴミ袋をそのまま出して置いたり、ピザやチキンなどをゴミ袋に入れないでそのまま捨てたりする人がいるんだな、と納得でした。
日本でそんな捨て方したら、次の日はカラスさんによってゴミを開封され、自分の家のプライベートなゴミが家の前で公開されてしまいます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
日本と似ているようで違う部分もあるので、ゴミを捨てる時はきちんと確認する必要があります。これから韓国で生活される予定がある皆さんの少しでも参考になれば嬉しいです。
最後に補足情報です!
スーパーでエコバックなどを持っていない場合レジ袋を購入する時ありますよね。韓国でレジ袋を購入したら、有料ゴミ袋をくれました。スーパーの名前が書かれていると思って良く見たらゴミ袋でした。このゴミ袋を使ってゴミ出しができるので嬉しいです。
ゴミ袋は自治体ごとに異なります。マポ区に住んでいるならマポ区のゴミ袋に捨てないといけません。
自分の住んでいる地域以外のお店でレジ袋を購入した場合は、その袋を使って捨てることはできませんので注意が必要です。
#参考資料:ソウル特別市発行 2022 ソウル生活のご案内